2009年2月24日火曜日

A-bikeの肖像(Maybe A-bike)


 A-bikeの特徴であり美点は素早くコンパクトに折りたたみが出来ること。まるで三脚の脚を縮めるように小さくすることが出来ます。折りたたみに要する時間は慣れれば1分掛かりません。多分。
 ご覧のようにA-bikeをお店の中に持ち込んでも違和感はありません。可愛いペット感覚でA-bikeと一緒に買い物が楽しめます。勿論、ペット持ち込み禁止のお店でもA-bikeの持ち込みは可能です。多分。

2009年2月23日月曜日

A-bikeの肖像(妄想bike 健康系)


 小径車には常識を覆すようなユニークな自転車が多くあります。小径車の元祖モールトンも自転車の常識を覆すものとして生まれたことを考えると、いわば小径車自体がユニークな存在と言えます。そんなユニークな小径車の中でも最右翼に位置するのがA-bikeです。

 A-bikeは英国の発明家、クライブ・シンクレアによって考えられた究極の折りたたみ自転車です。ご覧の通りアルファベットの"A"の形をしている自転車なのでA-bikeです。自転車として考えると驚く程小さく折りたたむことが出来て、材料にアルミとグラスファイバー強化ポリアミドを使ったボディは6Kg弱と軽量です。気になる折りたたみ方法は自転車というよりもカメラの三脚を組み立てたり、たたんだりするのに似ています。慣れればとても速く折りたたみが出来ることもA-bikeの特徴です。そして折りたたまれたA-bikeの姿は大変綺麗です。

 A-bikeを自転車と呼べるのか?この問いには悩むところがあります。自転車と同じメカニズムをした別の乗り物というのが一番よい答えではないかと思います。また、自転車と考えて乗ると失望するところが多い乗り物です。6インチという極小径タイヤからは容赦なく突き上げるような振動がお尻に伝わってきますし、軽量化が理由とはいえサーキュラバンドのブレーキ性能は頼りなく、下り坂では危険です。そしてA-bikeを乗りこなすにはある程度のバランス感覚と慣れが必要です。自転車をこれ1台で済ませようと考えるならばお薦め出来ない乗り物です。

 それではA-bikeの何がよいのか?この乗り物が自分の生活をより豊かにしてくれそうな予感がする。そのような妄想を抱かせるところにあります。簡単に言えば気軽に何処にでも持ち歩ける携帯自転車になる。という妄想です。しかし6Kg弱という重さは数台のノートPCを持ち歩くのに等しく、気軽に持ち歩くことには躊躇います。特にその乗り心地は自転車のレベルにはなく、自ずと行動範囲も限られてしまいます。

 それではどのようにA-bikeを使うのか?私はもっぱら自転車の駐輪場が少ない街中に出かける際にA-bikeを使っています。東京の街は何処へ行っても歩道や裏道に不法駐輪の自転車が溢れています。歩行者の妨げになることは勿論、雑に折り重なるように置かれた自転車は危険です。その点A-bikeならば駐輪場を探す手間や不法駐車をする必要がないので気遣いなく街に出かけることが出来ます。また素早くたためば手荷物程度の大きさになるため、他の人に迷惑を掛けることなく買い物をすることが出来ます。街から少し離れたところに住む私にとってA-bikeの適した使い方だと思っています。

 A-bikeのもう1つの利点は運動不足の解消です。例えばダイエットのために自転車に乗る場合は相当な距離を走らなければその効果は期待出来ませんが、A-bikeならば短い距離を走っても相当な運動量になります。A-bikeは健康系の乗り物と言えます。
 それからあと1つ、A-bikeに乗って街を走ると老若男女、全ての人に注目されます。この点は安全面ではプラスかもしれません。

2009年2月22日日曜日

Broの肖像(青春のバスケット 英雄達)


 POPミュージックを聞き始めたのは小6の頃でした。買ってもらったばかりのラジオから流れてきた音楽にそれまで経験したことがない興奮を憶えました。後にベイ・シティ・ローラーズというスコットランド出身のグループが歌う“イエスタデイズ・ヒーロー”という曲であることが分かりました。「昨日のヒーローにはなりたくない」今聞くとなんとも皮肉な曲ですが、大好きな曲でした。その後もクィーン、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリン等々、何故かアメリカよりもイギリスのバンドが好きでしたが、マイナー路線が好みな私は、ザ・フーやキンクスにのめり込み、中学生ではバンドも結成しました。特に彼らのファッション、50年代のビートニク達の影響を受けたというモッズのスタイルに憧れてバンドのメンバー達と上野のアメ横に3つボタンのジャケットを探しに行くこともありました。

 先日ブログで紹介したピクニックバスケットに私が好きなPOPSの英雄達を入れました。蓋は閉まりませんがバスケットの大きさはLPレコードが収まる大きさです。蓋につけたクリストフのトゥーストラップで括りつけたタータンチェックのマフラーは勿論ベイ・シティ・ローラーズへのオマージュです。

2009年2月21日土曜日

TSRの肖像(PashleyというBrand)


 パシュレイによってライセンス生産されるモールトン。ライセンス品と聞くとあまり期待が持てないように聞こえますが、真面目にしっかり作られた英国車らしい仕上がりで、とても魅力があるモールトンです。
 フレーム構造は本家に比べて簡略化されているとはいえ、本家AMシリーズからのノウハウが注がれたTSRのためにデザインされたトラス構造を持ち、先代の APBに比べて大幅な軽量化にも成功しています。フレームの材料はAMシリーズのようなカイセイ社の中空チューブではありませんが、デダッチャイとレイノルズ、両社のクロムモリブデン鋼チューブが用いられおり、パシュレイのフレームビルダーによってロウ付け加工されたハンドビルドのフレームです。

 パシュレイは1926年から続く歴史のある自転車メーカーで、勿論モールトンより大先輩の自転車メーカーになります。日本ではモールトンの普及品を製造するメーカーであること以外は多くを知られていませんが、週に300台の自転車を生産する英国では大手の自転車メーカーです。TSRモールトン以外にも大変個性的な自転車を沢山製造しており、生産された自転車の半分は国外に輸出しています。英国国内では古くから続く自転車メーカーが今尚新しい魅力的な製品を作り、ビジネスでも成功していることに注目しており、会社の評価も高いようです。

 パシュレイにとってモールトンTSRは特殊な自転車であって、製品のラインアップには仕事に使うワーキングバイクやクラシックなスタイルのロードスター、レイノルズ531を使ったフレームをフィーチャーしたシングルと3スピードのビックホイール レサーバイク等々、いずれもスチールフレームを使った魅力的な自転車ばかりです。日本にもモールトンTSR以外の魅力的なパシュレイの自転車が輸入されるようになり、このような自転車が街に溢れるようになると日本の自転車環境はもっと面白くなると思います。街を走る自転車がロードレーサーとMTB、そして最近よく見掛けるハイブリッドバイクだけでは味気ないと思うからです。

2009年2月17日火曜日

Broの肖像(ピクニック バスケット)


 土曜の朝はブロンプトンにピクニックバスケットをつけて焼きたてのパンを買いに出かけます。出発の前に家内による朝刊折込広告の確認が行われ、隣接するスーパーの特売品もパンと一緒に買って帰ることになりますが、問題もあります。焼きたてのパンと一緒にスーパーで買った食材をツーリングパニアに(自転車の前に取りつけられるブロンプトン専用の大きな鞄)入れて運ぶとパンがつぶれてしまう可能性があります。また牛乳などの冷たいものが一緒の場合は焼きたてのパンが冷めてしまいます。よってパンを運ぶための専用のバスケットが必要なです。

 このバスケットはブロンプトンのリアキャリアに載せるのに丁度よい大きさと判断してハンズメッセ(東急ハンズの特売)で見つけて購入しました。買ってきたバスケットをリアキャリアに載せてみるとご覧のように計ったようにピッタリの大きさでした。

 ブロンプトンでバスケットを使うために以下のような加工をしました。
  • 購入当初、バスケットには大きな把手と内部には生成りコットンの中敷きがついていましたが、バスケットにニスを塗る際、両方共に外して使い易いシンプルなバスケットにしました。(バスケットにニスを塗りました。)
  • ニスの色に合わせたキャメル色の革製リボンにホックをつけてキャリアにバスケットがつけられるようにしました。
  • トゥークリップ用のストラップを利用して走行中の振動で観音開きの蓋が開かないようにしました。(トゥークリップ用のストラップはバスケットの中に入れる荷物の大きさに合わせて長さを変えて蓋の開閉位置を自由に調整することが可能で、またストラップが2枚の蓋を荷物の上から押さえるため荷物が外に飛び出すことも防いでいます。)
  • ストラップにはD管リングをつけて薄い上着やビニールシート等を丸めてバスケットの蓋に括りつけられるように別途、他のトゥークリップ用のストラップもつけました。
 見るからに素人の工作ですがブロンプトンに取りつけると幸い細かいところは気になりません。自分では雰囲気のよいバスケットに見えると思い込んで使っています。

 自分達の生活に合わせて自転車を使い易くすることは使い勝手がよくなるだけではなく、自転車の生活をより楽しくしてくれます。パン屋との往復だけでなく、もう少し暖かくなったら友人も誘ってピクニックバスケットをつけたブロンプトンで出かけてみたいと考えています。

2009年2月15日日曜日

Broの肖像(ランデヴー)


 家内と久しぶりにブロンプトンで出かけました。ルートは何時も行く神代植物公園を経由して、野川サイクリングロードを走って武蔵野の水車経営農家まで行き、今回は水車小屋を見学しました。昨年は水車のメンテナンスを行っていたために見ることが出来ませんでしたが、ようやく念願がかなって水車小屋の内部を見ることが出来ました。
 水車は1808年に作られた大変古いものです。ツキ臼14本、挽き臼2台等が木製の大型水車の動力によって連動する構造で、木で出来た歯車が大小組み合わされた姿は見るからに複雑です。昨年の調整によって200年以上経った水車が電動で動くようになったそうですが、電動ではなく実際に水を循環させて水車を動かそうという計画まであるというから驚きです。もし計画が実現したら素晴らしいことです。大きな水車が廻り大小様々な歯車がギシギシと音をたてながら動く姿を是非見てみたいと思います。係員の方に丁寧に説明をして頂き大変有意義な時間を過ごしました。
水車小屋内を360度パノラマ撮影をした方のサイトがあります)

 帰りは水車小屋近くの武蔵野公園内にある「掩体壕(えんたいごう)」という戦時中に戦闘機を敵の爆撃から守るために飛行機を隠す、巨大な“かまくら”のような形をしたコンクリートで覆った格納庫を見て、味の素スタジアムまで行き、調布飛行場のプロペラカフェで一休みをしてから帰ってきました。
トータル20キロ弱のゆるーいポタリングでしたが楽しかった。

2009年2月13日金曜日

TSRの肖像(Queenの国のKing)


 キングと呼ばれる人達が様々な分野にいます。フットボールのキングが三浦カズならロックンロールのキングはエディ・コクラン。この辺りには異論があるかもしれません。しかし、スモール ホイール バイクのキングがアレックス・モールトンであることは誰もが認めるところではないでしょうか?

 現在モールトンのラインアップは3つに大別できます。
モールトン博士の住まいがある英国、ブラッドフォード・オン・エイヴォンで週に7台のペースで生産されるAMシリーズと呼ばれる本家のモールトン。
(ちなみに、キングだけにザ・ホールと呼ばれる城に住み、自転車も同じ城内で製造されていることは有名な話です。)
 本家モールトンと同じトラスフレームの構造をもち、フレームデザインを簡略化して価格を抑えた普及モデルをシェークスピアの生まれた街として有名なストラットフォード・アポン・エイヴォンでパシュレイ社がライセンス生産をするモールトンTSR。
 小径車モールトンの原型、F型フレームを発展させた自転車を日本のブリヂストンサイクルとモールトン博士が共同開発をしたBSモールトン。
以上の3つです。

 写真のモールトンはパシュレイ社によってライセンス生産されるTSR(Touring Sports Rambling)になります。APB(All Purpose Bicycle)と呼ばれた先代の後継モデルにあたり普及版のモールトンです。
 現在日本に正規に輸入されるパシュレイ社のモールトンは主に変速機の違いで3つに分かれています。フロント3段、リア10段のTSR-30 フロントシングル、リア9段のTSR-9 そして内装8段のTSR-8。尚フレーム・スケルトンは全て同じサイズで分割と非分割のフレームを選ぶことが出来ます。
 写真のモデルはTSR-9の分割フレーム。フレームカラーはジルコニウムという淡いグレーメタリックです。個人的にこのフレームカラーを大変気に入ってTSR-9を選んだのですが、一般には不人気だったのか残念ながら現在は輸入されていません。スラム製の外装9段の変速機はそのままにハンドル等を変更して自己流のミキストにして楽しんでいます。

2009年2月8日日曜日

Broの肖像(エプロン)


 以前、街中で英国車のミニが燃料を入れるフューエルキャップに、ガソリンの垂れを防ぐために立派な革のフラップをつけているのを見て、革が油でシミになってしまうのに、何故このようなことをするのだろと不思議に思って眺めていました。

 自転車には水しぶきや泥の跳ね上げを避けるために泥除けと共にマッドフラップなるものがついている場合があります。マッドフラップは主にコーナリング時に泥除けではカバーしきれない跳ね上げを抑える役目があります。クラシックなスタイルのブロンプトンにも薄いビニールで出来た大きなマッドフラップがついています。純正のマッドフラップはブロンプトンの雰囲気を損ねない程度のもので、無くても構わない、しかし外してしまうと寂しい気分になる。それなりの存在感があります。このマッドフラップは横風が強く吹くと生地が薄いために度々前輪に巻き込まれてマッドフラップをタイヤで擦ってしまうことがありました。そのようなことがあって、雰囲気もよく生地がしっかりとしたものに変えたいと思っていました。

 そんな折、アメリカのリーベンデールにナイジェルスミスのサドルバックを注文する機会があり、同じ送料を支払うならばと考えてサドルバックと同じ柄のツィードと革で出来た同社のマッドフラップを一緒に注文しました。
 「マッドフラップにこのような装飾をすることは馬鹿げているが、わずか15ドルでマッドガードにおめかしが出来る」正にリーベンデールの製品コピー通りのことを感じました。そして汚れる部分だからこそ洒落たものにしたいと思う天の邪鬼な気持ちが私の中のどこかにありました。

 ナイジェルスミスのマッドフラップをブロンプトンに装着するには泥除けに2ヶ所、穴を空ける必要があります。ブロンプトンの泥除けは樹脂製なので穴空け自体はとても簡単ですが、マッドフラップを外してしまうと泥除けに穴が空いたままになります。「It is no use crying over spilt milk.」学生の頃に先生から繰り返し言われた言葉が一瞬頭によぎりましたが、ご覧の通り泥除けに穴空けを行い取りつけてしまいました。気休めですがマッドフラップの裏表両方には防水スプレーをしておきました。

 ナイジェルスミスのマッドフラップに交換したことで横風によって前輪にマッドフラップが巻き込まれるようなことはなくなりました。ただ、純正のマッドフラップは泥よけの内側に沿わせるように取りつけてあったのに対して、このマッドフラップは泥よけの外側に上部2ヶ所をビスで留めて、ぶら下がるようにつけています。風を受けてフラップが裏側にめくれてしまうことはありませんが走行中はフラップの先端が3センチくらい浮いた状態です。機能的なことを考えればブルックスやギルベルソーが製造している革製のしっかりしたものの方がよいかもしれません。雰囲気重視な私はツィードと革のコンビネーションが洒落たこの製品に大変満足しています。もし著しく汚くなってしまった時は革を使って自作しようと思います。

 先の英国車ミニのフューエルキャップについたフラップは“タンクエプロン”等と呼ばれているようです。エプロンとはなかなか上手い表現だと思いました。私もこれからマッドフラップをエプロンと呼びたいと思います。
 小さなマッドフラップ1つであれこれと考える。これもブロンプトンを楽しみ方の1つだと思っています。そして英国車ミニのオーナーの気持ちも分かるようになったこの頃です。

2009年2月1日日曜日

縁の下のアール・デコ(ペンタクリップ)


 自転車部品の名称には聞いただけでは想像がつかない変わったものが多くあります。変わった名称の一つに“やぐら”と呼ばれるものがあります。“やぐら”はサドルを支える台座として使われ、シートポストに取り付けるものです。なるほど、言われてみれば高くのびたシートポストの上に付いた姿は正に“やぐら”です。因みに英語ではSaddle Cranp又はSaddle Clip等と呼ばれるようですが、読んで字のごとし、分かり易いですが日本の名称の方がイマジネーションが豊でたのしい表現です。

 写真の“やぐら”、一番上がブロンプトンの“ペンタクリップ”と呼ばれる純正の“やぐら”です。真ん中はブルックスの物、そして手前にあるのがフランス、イデアルの“やぐら”です。
 比較すると分かるようにブロンプトンの“やぐら”は他の二つとは異なり直線と曲線を基調にした幾何学的な形をしています。名前も変わっていますが、よく眺めると、なで肩にカットされた部分を上方に線で結ぶと五角形に見えます。だからペンタクリップなのでしょうか?
 形だけではなく素材も他の二つとは異なりアルミ製です。重さを計ると、ブルックス:150g、イデアル:165gに対してペンタクリップは105g、他の二つに比べて3割以上も軽量化されています。
 ペンタクリップは構造も凝っています。他の“やぐら”が菊座と呼ばれる菊の花のように放射状に溝を切った部分を噛み合わせてサドルの角度を段階的に調整するのに対して、ペンタクリップは片側に2枚で1組となる360度回転するワッシャーを2セット、計4枚を挟んで、サドルの角度を無段階に微調整することが出来ます。

 私はペンタクリップの直線と曲線で構成された造形からフランスのポスター作家、カッサンドルの作品を思い起こします。他の自転車の部品に比べると“やぐら”は目立たない地味な存在ですが、サドルの下からちらりと覗くペンタクリップの姿はとても誇らしく思います。