2009年9月26日土曜日

TSRの肖像 小さな秋(野川CR-多摩川CR)


 心地の良い虫の音そして道端に咲く曼珠沙華やコスモスの花々。其処此処に秋を感じ、自転車で出掛けるには最高の季節です。
 何時ものように野川サイクリングロードを走って先ずは国分寺まで地元の市民グリープが制作した「国分寺ぶらぶらマップ」を買いに行きました。


 武蔵野公園を抜けてはけの道を走ります。連休中はフットボールを楽しむ子供達の姿もなく公園内は大変静かでした。
 はけの道沿いに朽ちた門だけが残っている富永三郎邸の跡があります。富永三郎は昭和の美術評論家、富永二郎の弟で「武蔵の夫人」の作者、大岡昇平と富永二郎は成城学園で同級だったことから大岡昇平が上京した時に富永邸に寄寓していたことで知られています。


 はけの道の突き当たりある小金井の金蔵院。春は見事な垂れ桜が楽しめましたがこの時期境内には可憐な白萩の花が沢山咲いていました。此処は萩寺として地元の人達に親しまれています。


 金蔵院はとても小さな寺ですが、はけの道から見える門構えは凛々しく、季節毎に異なる風情が楽しめる本当に素晴らしい私のお気に入りの場所です。


 はけの散歩道を紹介した「国分寺ぶらぶらマップ」を購入したギャラリーウノヴィックの直ぐ先に立派な蔵がある農家がありました。この辺りには武蔵野の面影が残る道があり、ちょっと嬉しくなります。マップ購入後、国分寺から更に南、多摩川サイクリングロードへと向かいました。

 野川サイクリングロードから多摩川サイクリングロードそしてまた野川サイクリングロード。野川と多摩川、川沿いに走る2つのサイクリングロードを巡ることが最近私のお気に入りの自転車コースになっています。
 庭園やお寺等で道草をしながらのんびりと走ることが楽しい文科系の野川サイクリングロード。ロードバイクやハイブリッドバイクに混じって少し本気で自転車の走りを楽しめる体育会系の多摩川サイクリングロード。どちらも甲乙をつけがたい特徴のある自転車道です。特に最近は多摩川サイクリングロードを走ることがとても楽しく感じます。パシュレイTSRはロードバイクに遜色ない走りが楽しめる一味違う小径車なのです。


 和泉多摩川まで行き、橋を渡って多摩川の右岸、登戸方面へ行きました。多摩川を渡ると東京都から神奈川県になります。この先、多摩川のほとりに自転車乗り達の溜まり場になっている有名な休憩所があります。この日も自転車で良い汗をかいた沢山のオジさん達がビールを飲みながら楽しい一時を過ごしていました。私はその場を一瞥して再び橋の上に戻り、日が傾く多摩川を暫く眺めました。
 秋になって日の入りが早くなることは唯一残念に思います。そして自転車で遊んでいると何時の間にか時間が経って夕方になっています。

2009年9月19日土曜日

TSRの肖像 ザ・リバー(多摩川 記憶の風景)


私の脳の何処かで何時までも映し出されている風景があります。


映し出される風景は何時までも変わることがありません。


 その場所は幼稚園から小学校2年生までの僅かな期間を過ごした 猪方(いのかた)という人里から離れたような住所名がついた小田急線 和泉多摩川駅の辺りになります。


 幼児期とは毎日が夢の中にいるような、とらえようのない不確かな時間です。脳に映し出される風景は時空間を超越した形而上の風景とも言えます。


 感覚的には鮮明に映りますが、視覚的には極めて不鮮明な風景です。ペダルを漕ぎながら実在する風景の中へ進んで行きます。しかし求める風景に辿り着く手掛かりは僅かばかり、掴もうとすると穴だらけの軽石のようにその場で細かく崩れていきます。


 それはチネチッタのようでした。街中全てを描き換えてしまったかのように目の前の風景は記憶の中にある風景には繋がりません。私は僅かな望みを持って多摩川の土手に上がりました。しかし、多摩川も全てが異なっていました。唯一、そしてこれは私が知っている遥か昔から続いていることですが、川は今も西から東へと流れ続けていました。

2009年9月9日水曜日

ちょっとライトな話 (マイ ファーストCD)


 日増しに日照時間が短くなっていることを実感しています。先日、家内のブロンプトンには秋冬に備えてライトを新調しました。一方、自分のパシュレイは前灯にソービッツのランプハウスにLEDを仕込んだ自作ライト、尾灯も外観はクラシックなアルミ羽布仕上げですが光源はLEDのライトです。前後に各1灯ずつLEDライトを付けていますが共に明るさが不足していると感じていました。日没が早い秋冬に備えて小さくても明るいLEDの補助ライトをパシュレイに追加しました。

 改めて眺めるとグローランプのようにも見えますが、パッケージに入ったMOONのLEDライトを初めて見た時は何故か真空管を想起しました。
 巷では今再び真空管が人気のようです。実家には昔、父が自作した真空管のステレオがありました。残念ながらそのステレオがどのような音であったか覚えていませませんが、電源を入れてから暫く待たないとレコードを聞くことが出来なかったことは記憶しています。
 現在 私の音楽鑑賞方法は外出時はipod、家ではMacとiTunesの組み合わせ、真空管とは程遠い音楽鑑賞環境です。Macの内蔵スピーカーでは音量、音質、共に不足と感じてMacの音声出力端子からプリメインアンプへは ちょっと拘ったモンスターケーブルで繋ぎ、デザインに惚れ込んだミニポッド ラウドスピーカーでiTunesに入れた様々なジャンルの音楽を楽しんでいます。


 80年代のはじめ、CDが店頭に並ぶようになってからも暫くレコード派でした。CDプレーヤーを持っていなかったこともありましたが、レコードに比べてCDはジャケットが小さくて魅力に欠くものだったからです。反面、初めて買うCDは何にするかも考えていました。
 弟がCDプレーヤーを購入してCDを聞く環境が整った頃、グッドデザインなCDがリリースされました。イギリス、マンチェスターのグループ、ニュー・オーダーの「ブラザーフッド」です。まるでヘアーラインの金属プレートをプラスチックケースに収めたように見せた斬新なデザインは、レコードのジャケットでは表現することが出来ないCDの時代を予感させる新しいジャケットデザインに見えました。このCDジャケットは同じくマンチェスターのグラフィックデザイナー、ピーター・サヴィルによるもので、私はニュー・オーダーの音楽ファン以前にピーター・サヴィルがデザインしたレコードジャケットのファンでした。特に80年代はじめに次々とリリースされたニュー・オーダーの12インチシングルのデザインは今でも秀逸だと思っています。ファクトリー・レコードのピーター・サヴィル、ヴァージン・レコードのラッセル・ミルズグリーン・ガートサイド(スクリッティ・ポリッティ)この3人が当時お気に入りのレコードジャケットデザイナーでした。


 80年代後半になると徐々にレコードが店頭から消えて行き、CDにその場を譲るようになっていました。ニュー・オーダーの次のアルバム「テクニーク」はそのような時代ににリリースされました。このアルバムは当時流行っていたハウス・ミュージックの影響を強く感じさせるヘビーなエレクトリックサウンドでした。アナログとデジタルの絶妙な調和にこのバンドの魅力を感じていたので、当初はそのサウンドに少し面喰らったことを覚えています。
 90年代に入ると完全にCDの時代に移行していました。ニュー・オーダーが所属していたファクトリー・レコードも間もなく潰れてしまい、ニュー・オーダーは新しいレコード会社に移籍、バンドの雲行きもおかしくなっていきました。ピーター・サヴィルがデザインした「テクニーク」のジャケットも「ブラザーフッド」のような鮮烈な印象はなく、また輝かしく映ったジャケットデザインの世界も陰りを感じるようになっていました。「テクニーク」以降、ニュー・オーダーの音楽を聞くこともなくなり、同時に流行のバンドにも関心が低くなって行きました。レコードの終焉と共に自分でも異常とも思えたポップミュージックへの傾倒も終焉を迎えました。

  最後に再びライトの話に戻します。真空管タイプ(M-1WM-1R)のLEDライトと共に同じくMOONの他のLEDライト(M-3W)も購入しました。真空管タイプは光を拡散させますが、こちらは先端にレンズが付いた一点を集中的に照らすスポットタイプです。このライトは路面を照らす明かりとしてパシュレイのフロントフォークに付けることにしました。
 真空管タイプ(M-1WとM-1R)は点灯と点滅が選べ、点滅で45時間、点灯では25時間連続点灯可能。スポットタイプ(M-3W)は点灯にハイとロー2種類が選べて真空管タイプ同様に点滅することも出来ます。点灯はハイで25時間、ローで35時間、点滅では50時間稼働可能です。両タイプ共に電源はボタン電池(CR2032)を2ヶ使用しています。尚、自転車に取り付けるラバーバンドにはライトの照射角度を調整出来る便利なライトステーが付いています。
 MOONのLEDライトは小ぶりですが明るくて軽い優れた製品だと思います。これで日没が早くなるこれからの季節も安心してパシュレイで出掛けられます。