2010年9月11日土曜日

Broの肖像 横須賀ライド(ブルーノ・ムナーリ展)


 弧を描くような急勾配の坂道が岬へと続き、鬱蒼と茂る木々の隙間からは木漏れ日が岩壁に綺麗な水玉模様を映しながら揺れていました。此処、観音埼は三浦半島東端に位置し江戸時代から東京湾を守る要衝でした。明治時代には陸軍の砲台が設置され、その砲台跡が今も残ってます。
 8月最後の土曜日、横須賀美術館でブルーノ・ムナーリ展「アートの楽しい見つけ方」を観た後、心地よい潮風を受けながら海岸線の道を楽しみました。


 以前から訪れてみたいと思っていた横須賀美術館は建物の正面が東京湾に向かって大きく開け、三方は観音崎の森に包まれるように建つ明るく開放感溢れる美術館でした。決して大きくありませんが美術館に自転車専用の駐輪場が整備されていることも好感が持てました。
 ブルーノ・ムナーリ(1907-1998)は、グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、絵本の制作の他に子どものための造形教育など多岐にわたる分野で活躍したイタリアの作家です。視覚表現を主体としながらも視覚障害者が楽しめる彫刻作品や素材の持つ感触を楽しむ絵本など、視覚以外の感覚に訴える作品を多く制作していることを大変興味深く思うと同時に、共感しました。美術教育に携わる者として想像力を刺激するムナーリの作品群から学ぶことが多い展覧会でした。


 展覧会を楽しんだ後、観音埼灯台へ向かいました。灯台は先の砲台跡より更に少し上がったところに建っています。灯台の眺望は素晴らしく航行する船舶や対岸の房総半島までが見渡せます。帰り際に受付の気さくな女性に撮ってもらった写真はとてもよい記念しなりました。


 観音埼灯台を観た後、浦賀へ向かいました。海辺は小さな漁村といった趣ですが此処は古くから浦賀は造船の町として知られていた所でした。しかし平成15年(2003年)3月に浦賀ドック(住友重機械工業浦賀造船所)も閉鎖されて駅前は閑散としています。対照的に山側に建つ立派なマンションが奇妙に感じられました。
 長細い浦賀港を挟んで東西に叶神社(かのうじんじゃ)と呼ばれる神社が1つずつ建っています。写真は東岸にある叶神社で背後に明神山と呼ばれる山があり本殿に上がると対岸(西側)まで見渡せます。後で知ったことですが本殿より先にも石段が続き、勝海舟が咸臨丸で太平洋を横断する前に断食修行をしたとされる場所が残っているようです。これは次回是非確認をしてみたいと思います。


 浦賀湾に沿うように走って西側へ行き西の叶神社(こちらが本家だそうです)も拝観した後、神社のそばにある骨董店を覗きました。店の軒先まで並ぶ品々を興味深く眺めながら暫し店主と笑談。ほぼ毎日曜日に東京、鶴岡八幡宮にも出店をされているようなので今度はそちらもを覗いてみたいところです。
 浦賀からペリー公園まで行くと既に午後3時を過ぎていました。この日のサイクリングはここで終了、最寄りの久里浜駅から自転車を素早く?畳んで電車に乗って帰りました。(ブロンプトンは便利な自転車です)

 久しぶりに三浦半島を訪れましたが自転車で廻ったのは勿論初めてのこと。電車や車とは異なる楽しさがあります。 そして今回は此処に昔から国内外の歴史的な境界線があることを実感しました。本当に楽しいサイクリングになりました。最後にのんびり派の我々夫婦を終始笑顔でご案内して頂いたキリマさんにこの場を借りて感謝申し上げます。また是非訪れてみたいと思っております。有難うございました。