Broの肖像(名曲喫茶ミニヨン)


 連休は遠出をするという人も多いようですが私は地元でのんびり派です。以前から気になっていたJR 荻窪駅近くにある「名曲喫茶ミニヨン」にブロンプトンで出掛けてみました。

 最近はアメリカンなファーストフード系のチェーン店ばかりで落ち着いて珈琲が飲める場所、つまり喫茶店をあまり見掛けなくなりました。荻窪にある「名曲喫茶ミニヨン」は創業48年、半世紀近い歴史があるクラシックレコード(CDではありません)を聞きながら珈琲が飲める喫茶店です。現在の荻窪駅南口に移転して38年ですが競争の激しいこの世界では老舗の喫茶店だと思います。

 お店の外に自転車を停める場所がなかったので、自転車を折り畳んで階段の踊り場に置こうとするとママが出てきて「どうぞ中へ入れてください、ずいぶん小さくなる自転車ですね」と言ってお店の奥にあるギャラリースペースに自転車を置かせてくれました。なお、喫茶店は音楽コンサートを催す音楽サロンとしても使われており、定期、不定期のコンサートも行われています。


 珈琲はブレンドのソフト(ビターも選べます)、小腹も空いたので手作りクッキーも一緒に注文しました。
 南側の窓からは初夏の風と共に街の音が微かに入ってきました。大きなタンノイのスピーカーから流れるショパンのピアノ曲と街の音が微妙に混ざり合い、照明を抑えた店内は大変心地よい空間です。お客さんは皆時間を忘れて読書や書き物をしていました。CDとは明らかに違う柔らかいレコードの音に包まれながら飲んだ珈琲は大変美味しかったです。


 「名曲喫茶ミニヨン」現在のママは2代目で先代の名物ママは7年前に91歳で引退されたそうです。この近所に住んでいる友達の話ではそれでもよくお店がある2階まで1人で上がっていたと聞いています。残念ながら4年前に初代、深澤千代子ママはお亡くなりになりましたが、今もお店の至る所に先代ママの温もりのようなものを感じました。

 閉店してから2年近く経ちますが吉祥寺にも「ボア」という50年続いた老舗喫茶店がありました。画家、東郷青児が愛したお店としても有名で、店内には東郷青児の描いた絵が飾られ、包装紙やマッチも東郷青児がデザインしたものでした。近いので何時かは入ろうと思いながら何時もお店の前を通り過ぎていましたが、そんなことをしているうちに駅前広場の整備予定地となり閉店になってしまいました。何とも悲しく悔しい思いをしていたので荻窪の「名曲喫茶ミニヨン」には絶対に行こうと思っていました。今回ようやく念願が叶ってお店に入ることが出来てよかったです。やはり連休は地元でゆっくりと過ごすのが一番です。

名曲喫茶ミニヨン
所在地:〒167-0051 東京都杉並区荻窪4ー31ー3マルイチビル2階
営業時間:11時から22時(月、火、木、金、土)日曜日は19時まで
定休日:水曜日(※コンサートの時間帯は喫茶店の営業を中断)
お問い合わせ先:03ー3398-1758

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