Broの肖像 新型サスペンションブロックの備忘録


 人力で走る自転車のサスペンションを考えることは自動車や自動二輪のそれとは違う難しさがあると思います。また自転車はできるだけシンプルに車体を軽くした方が軽快に走らせることが出来るでしょう。しかし普通の自転車に比べて小さいタイヤで、あまり撓わないフレームを持つ小径車は路面から衝撃を受け易く何らかの対策も必要です。よってブロンプトンにはメインフレームと後三角を繋ぐ接合部にサスペンション・ブロックと呼ばれるサスペンション(緩衝材)が付いています。


 自転車の後部に付いているサスペンションを走りながら確認をすることは難しいのですが、家内が走る様子を後ろから眺めているとブロンプトンのサスペンション・ブロックが想像以上に伸縮を繰り返していることが分かります。そして単なるゴムの固まりのようにも見えたサスペンションの効果に少々驚きます。
 私のブロンプトンは旧型のサスペンション・ブロックが付いています。先般、同じくブロンプトンに乗られているキヨさんのご好意によって、現行のブロンプトンに付いている新型のサスペンション・ブロック(ハードタイプ)を試すことが出来ました。


 既に多くの方が書かれていることですが、新旧サスペンション・ブロックの大きな違いは使用される材料がゴムから発砲ウレタンに変更になったことです。この材料変更によって重さは旧型46gに対して新型は28gと4割近く軽量になっています。(専用の樹脂ワッシャー含む)今回試したサスペンションがノーマルより硬いハードタイプであることも影響しているのか、指で押してみると旧型に比べて硬く、あまり弾力性もありません。スタイリッシュになった外観と共に材質の違いを感じます。そしてサスペンション・ブロックの形状変更、特に新たに加わった3本の溝は発砲ウレタンの性質によって加えられたと思われます。(逆にこの形を再現するための発砲ウレタンなのかもしれません)


 新旧サスペンション・ブロックの違いによる走りへの影響は大きいとは思えませんでした。特に興味深く感じたことは、サスペンションの材料がゴムから発泡ウレタンになったことで身体が受ける振動の質も異なることでした。暫くすれば慣れてしまう僅かな差ですが、路面から受ける衝撃や振動は旧型よりも若干鋭く伝わってくるようです。ブロンプトン社が何故サスペンション・ブロックの材料を変更したのか定かではありませんが、このようにゴムと発泡ウレタンで振動の質が異なって感じることは大変興味深い体験でした。
 新型のサスペンション・ブロックは手頃な価格で少しでも軽量に、そしてスタイリッシュにブロンプトンを見せたい方には良い選択のように思います。またハードタイプと言えどもガチガチに硬いことはありません。旧型から乗り換えても違和感なく走れます。機会があれば新型のノーマルタイプも試してみたいと思いました。
 最後に今回、新型のサスペンション・ブロックをお貸出しくださったキヨさんにこの場を借りてお礼を申し上げます。有難うございました。

コメント

  1. 僕のより的確なリポートをされているぅ…
    素材の違いによる振動の質の違いというところが興味深いです。
    加茂屋のサスもそうそう違いが出るわけでもないのですが、今度またお試しくださいな。

    ノーマルサスの写真を見ると、取付ネジを結構キツく締められていますがそれは意図的に?それともゴムがへたっているのかな?と思ったりしました。

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  2. キヨ 様

    おはようございます。
    何時もコメントを頂き有難うございます。

    的確なリポート、とんでもないです。
    何時ものいい加減で情緒的なヤツですよ(笑)

    >加茂屋のサスもそうそう違いが出るわけでもないのですが、今度またお試しくださいな。

    有難うございます。また先般キヨさんのブロンプトンに試乗させていただき、タイヤの影響もかなり大きいと感じました。

    取付けネジの件、僕も写真を見ながら締め過ぎていると思いました(笑)
    これには理由がありまして、サスペンションの位置が中心から割合簡単にずれるのです。(明るい時に見直すつもりです)
    いずれにしても少し緩めた方が良いですね。
    有難うございます。

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