冬・武蔵野空景(青の印象)


 空を見上げる度にどこから空になるのだろうと思います。写真を撮る時は焦点を何処に合わせてよいか考えてしまいますが、雲ひとつない青空が広がっていると嬉しくなって思わずシャッターを切ってしまいます。


 明るく淡い青を空色と言いますが冬の空は濃く透き通るような青色をしています。よく晴れた冬の青空を眺めていると吸い込まれそうです。


 青が好きです。街で綺麗な青色を見つけると無意識に目を向けてしまいます。今でも印象に残る青は冬休みにモワ・ド・ラ・フォト (パリ写真月間)へ行った際、宿泊していたアパルトマンの窓から見た深く暗いパリの青い朝の景色です。フランスの映画監督ジャン=ジャック・ベネックスの青、ベネックスブルーと重なりました。


 パリの青い朝の景色と一緒に思い出すのは労働者達が着ていた青色のつなぎ(作業着)です。興味本位で入った小さな薄暗いカフェは青のつなぎを着た大柄の男達であふれていました。いちげん客の突然の訪問に店内に一瞬重苦しい空気が漂いましたが、ボンジュール、カウンターの奥に見えた赤毛のマダムに挨拶をしました。人のよさそうな小柄のマダムは赤い頬を輝かせながらボンジュール、ちょっとハスキーな声で応えてくれました。青いつなぎの男達も私が店内に入れるように道をあけてくれました。アン キャフェ シルヴィブレ。青い大柄な男たちに混じって珈琲を飲んだ経験も忘れられない青の印象です。


 玉川上水から続く暗渠化された水路の小道を歩きながら井の頭公園駅の方まで歩いて行きました。これは玉川上水から取水して田畑に水を注いだ昔の農業用水路だったのではないかと推測します。小道は井の頭線の線路に突き当たって終わりますが恐らく水路はこの先の神田川まで続いていると思います。


 しだいに冬空は深く濃い神秘的な青へと変化していきます。短い時間ですが夕暮れの空の青も大変美しい色をしています。
 うららかな春の日が訪れることは楽しみですが、もう暫く澄んだ冬の青空を楽しんでいたい気分です。

コメント

  1. 私も、秋から冬にかけての、吸い込まれそうな真っ青な青空が好きです。
    そんな青空を眺めながらのポタが一番好きですね(笑)
    AFだと、ピントが合いにくいので、撮るのに苦労しますが(笑)

    青と言えば、写真でしか見る事が出来ない滝の神秘的な青も好きです。
    いつも、こう写らないかと、狙ってますが、なかなか出合えません↓
    http://blog-imgs-23.fc2.com/y/u/r/yurupota/Img2290.jpg

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  2. ゆるポタ 様

    こんばんは
    何時もコメントを頂き有難うございます。

    お写真、拝見致しました。
    特に滝を挟んで左右の岩の造形が対照的なところがとても面白いと思いました。
    大自然がつくる色彩はどれも美しく神秘的ですね。

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  3. 心の旅路

    冬の空の青さよ。
    喧噪や静寂を包み込む神秘の色。
    宇宙ほど遠くなく、
    地球の青さほど近くない。
    空よ、空よ、黙ってないで。
    どうか私に教えてくれ。

    なんのこっちゃ。

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  4. おはようございます。

    今回も自作の詩をいだだき有難うございます。
    kirimaさんの詩は純真無垢な響きがありますね。

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