その家は小高い多摩の丘陵地に建っていました。3連休のなか日、東京は30度を越える真夏日そして太陽は最も高い位置にありました。駅から歩いておよそ15分、南西方向からやや強い風が吹いていたものの坂を上ってきたため額から汗が噴き出しました。この日、私達は「水の学校」の授業の一環として冷暖房装置に雨水の蒸発冷却、太陽熱による温水化など様々な工夫を凝らしている「エクセルギーハウス」の体験見学会に参加しました。
「エクセルギーハウス」の構造説明と見学に際しての注意事項を聞いた後、早速建物の屋内へ入りました。午後の最も気温の高い時間帯で室内の温度は1階で約32℃、2階は30℃少し越えていました。しかし体感温度は思いの外暑く感じません。これは室内の壁、天井、床の温度がほぼ26〜27℃に保たれて室温より周壁温度が低く抑えられているため体に負担の少ない涼を感じることが出来るということでした。例えると家の周壁を地下に貯めた雨水を使って打ち水しているような状態と言えば分かり易いかもしれません。
「エクセルギーハウス」の重要なポイントは必要以上の雨水や太陽熱を使わないことにあります。自然の森と同じような機能(回路)をもった家になっていることが特徴です。また冷暖房に用いられる雨水は床下のタンクに常時2~3トン蓄えられており地震などの災害時にはこの水を利用できることも特筆に値します。
「エクセルギー」、聞き慣れない言葉ですが主に物理学で使われる用語のようです。普段私たちはこれを「エネルギー」と表現していますが、「エネルギー保存の法則」によれば全エネルギー量は保存され、増減することはないため物理学的には「エネルギーの消費」とは間違った表現になるそうです。つまり消費されるエネルギーを表す概念を「エクセルギー」、私たちが利用出来るエネルギーを「エクセルギー」と呼びます。「エクセルギーハウス」は雨水や太陽等、身近にある消費可能なエネルギー(エクセルギー)を活用して必要最小現の消費で快適な暮らしを目指す家になっています。窓の外には葦簀(よしず)が掛けられ心地よい風が通り抜けていたことが大変印象に残りました。
「エクセルギーハウス」を見学して家を建てる、住むということは日々どのように生活をするか、大仰に表現すると生き方について考えること、問いかけることに繋がっている。今更ながらそのように感じました。また黒岩先生のお話の中にあったように土間、茅葺屋根や置き屋根、葦簀(よしず)など、古来からある日本家屋、そして日本の生活には先人たちの知恵が沢山詰まっていることが分かります。明治以降私たちの生活は無理な西洋化が推進められましたが日本の風土に根ざした建物、そして私たち日本人の生きかたについても再考すべきだと「雨」そして「水」について学びながら考えた1日でした。最後にこのような機会を与えてくださった「アルキテクタ」、「水の学校」スタッフの方々そして黒岩先生、土肥先生に感謝を申上げます。
「エクセルギーハウス」の構造説明と見学に際しての注意事項を聞いた後、早速建物の屋内へ入りました。午後の最も気温の高い時間帯で室内の温度は1階で約32℃、2階は30℃少し越えていました。しかし体感温度は思いの外暑く感じません。これは室内の壁、天井、床の温度がほぼ26〜27℃に保たれて室温より周壁温度が低く抑えられているため体に負担の少ない涼を感じることが出来るということでした。例えると家の周壁を地下に貯めた雨水を使って打ち水しているような状態と言えば分かり易いかもしれません。
「エクセルギーハウス」の重要なポイントは必要以上の雨水や太陽熱を使わないことにあります。自然の森と同じような機能(回路)をもった家になっていることが特徴です。また冷暖房に用いられる雨水は床下のタンクに常時2~3トン蓄えられており地震などの災害時にはこの水を利用できることも特筆に値します。
「エクセルギー」、聞き慣れない言葉ですが主に物理学で使われる用語のようです。普段私たちはこれを「エネルギー」と表現していますが、「エネルギー保存の法則」によれば全エネルギー量は保存され、増減することはないため物理学的には「エネルギーの消費」とは間違った表現になるそうです。つまり消費されるエネルギーを表す概念を「エクセルギー」、私たちが利用出来るエネルギーを「エクセルギー」と呼びます。「エクセルギーハウス」は雨水や太陽等、身近にある消費可能なエネルギー(エクセルギー)を活用して必要最小現の消費で快適な暮らしを目指す家になっています。窓の外には葦簀(よしず)が掛けられ心地よい風が通り抜けていたことが大変印象に残りました。
「エクセルギーハウス」を見学した後、国分寺の「おたカフェ」へ行き夕方から「水の学校」の通常講義に参加しました。前回の村瀬先生に続き、今回も雨水の利用をテーマにNPO法人グリーンネックレスの土肥先生からは武蔵小金井における中央線高架橋に溜まる雨水を活用した「雨水発電」やベンチつきの「雨水自動潅水プランター」などの活動について、そして建築家の黒岩先生からは先の「エクセルギーハウス」について更に詳しい内容を聴きくことができました。
前回から2回にわたって雨水について学び、いずれも目から鱗が落ちることばかりでした。「雨は天からの授かりもの」まさにその通りだと感じました。そして雨の多い日本で天からの授かりものである雨を暮らしの中で積極的に活用していきたいという気持ちになりました。特に土肥先生から紹介があった植物への給水が不要な「雨水自動潅水プランター」は是非自分でも試してみたいアイディアです。
「エクセルギーハウス」を見学して家を建てる、住むということは日々どのように生活をするか、大仰に表現すると生き方について考えること、問いかけることに繋がっている。今更ながらそのように感じました。また黒岩先生のお話の中にあったように土間、茅葺屋根や置き屋根、葦簀(よしず)など、古来からある日本家屋、そして日本の生活には先人たちの知恵が沢山詰まっていることが分かります。明治以降私たちの生活は無理な西洋化が推進められましたが日本の風土に根ざした建物、そして私たち日本人の生きかたについても再考すべきだと「雨」そして「水」について学びながら考えた1日でした。最後にこのような機会を与えてくださった「アルキテクタ」、「水の学校」スタッフの方々そして黒岩先生、土肥先生に感謝を申上げます。
こんにちは。
返信削除素晴らしいですね。
僕も参加してみたいと思いましたが、エネルギーじゃなくてエクセルギー?アホすぎるので参加しても理解できない気がします(笑)
10年以上前から素人の浅知恵で、雨水による冷媒や温暖化防止などをよく妄想していましたが、まさにコレ!
発想はあっても実現する技術も無けりゃお金もない、何も出来ないまま10年以上経っているので、ちゃんと実例があって嬉しいです。
考えるようになったきっかけは、神戸の地震で水が無くなり、混乱している都市の様子を目の当たりにしたからかなぁ......でも、記憶が定かでは有りません。
個人的には水を貯えて有効活用する以外に、ビオトープにできれば最高だなぁなんて思っています。
雨水って素晴らしい天の恵みなのに、都市部ではただ排水溝から流れていくばかり。本当に無駄にしちゃっていますよね。
FLENDER 様
返信削除こんばんは。
何時もコメントを頂き有難うございます。
>僕も参加してみたいと思いましたが、エネルギーじゃなくてエクセルギー?アホすぎるので参加しても理解できない気がします(笑)
すみません。簡単なことを複雑に表現した僕の書き方が悪いだけです。またドアホな僕でも分かり易く説明して頂きましたので大丈夫ですよ(^^
次回また見学会もあるようですのでお時間が合えばご一緒致しましょう。
>10年以上前から素人の浅知恵で、雨水による冷媒や温暖化防止などをよく妄想していましたが、まさにコレ!
さすがはFLENDERさんですね!僕にはこのような発想がありませんので感心することばかりでした(笑)
>発想はあっても実現する技術も無けりゃお金もない、何も出来ないまま10年以上経っているので、ちゃんと実例があって嬉しいです。
先ず発想出来ると言うことが素晴らしいです!技術とお金は持っている人にお願いすればよいことです。ってこれがまた難しい問題ですね(^^;
>考えるようになったきっかけは、神戸の地震で水が無くなり、混乱している都市の様子を目の当たりにしたからかなぁ......でも、記憶が定かでは有りません。
なるほど、そうでしたか・・・
人は水がなければ生きられませんからね!一番大切なことです。
>個人的には水を貯えて有効活用する以外に、ビオトープにできれば最高だなぁなんて思っています。
そうですね。庭に小さな池を造るだけでもトンボなどがやってきますよね。ボウフラもわくか(^^;
>雨水って素晴らしい天の恵みなのに、都市部ではただ排水溝から流れていくばかり。本当に無駄にしちゃっていますよね。
仰る通りです。
特にFLENDERさんがお住まいの下町では雨水を素早く排水溝へ流す仕組みが大雨の際には洪水を引き起こす主な原因にもなっています。
また雨水を上手に使えば無駄なダム建設の必要もありません。皆が水に対して関心を持つようになり賢くなることで自然が守られ、僕らの生活も守られますよね。
こんばんは
返信削除今日も暑かったですね。
暑さに耐えきれず髪をバッサリ切ってきました。
>簡単なことを複雑に表現した僕の書き方が悪いだけです。
いえいえ、mincoroさんの文章はとてもわかりやすいですよ。
ただ、奥が深そうな研究なので、どこまで僕が理解できるのか、そこが問題です(笑)
でも、また機会がありましたら教えてください。
>雨水を素早く排水溝へ流す仕組みが大雨の際には洪水を引き起こす主な原因にもなっています。
そうなんですよ。
もっと言うと、大雨の時に下水処理施設がキャパオーバーになるせいで、未処理のまま直接河川に流された生活排水は、海洋汚染を引き起こし赤潮の原因にもなります。
気持ちばかりの抵抗ですが、僕は下水処理施設がなくても大丈夫なように合成洗剤を使いませんし、塩素系の漂白剤も使いません。油汚れは新聞紙で拭き取ってから洗い物をし、重曹をフル活用しています。
あっ、話が脱線してしまいました(笑)
交通量の多い国道などの大通り以外は、アスファルト舗装の必要など全くなく、ヘドロを原料にしたレンガを敷き詰める舗装にすることで雨水は地面に吸われ、下水道への流入を大幅に減らせるんですけどね。
また、石畳や吸水性の高いタイプのレンガ舗装のメリットは、雨水(災害時にも使えるよう町内会レベルでタンクや貯水池にためておくべき)を定期的に路面に流すことで気化熱で気温を下げることも出来ます(石畳の場合は隙間をセメントで固めると意味無し)。
どうして国や行政がそういうことをしないんですかねぇ?
エクセルギーハウス・・・興味深く拝読いたしました。
返信削除初めて耳にした言葉です。
近年のヒートアイランド現象や猛暑日・酷暑日の出現回数が
多くなってきているのは事実。
こういうエネルギーの転化(と言えるのかな?)は究極のエコだと思います。
我家には今も井戸があり夏場は冷たく、冬は温い、この水を利用して「打ち水」で少しでも涼を取るようにしています。
飲料用には適していませんが今も昔もこの井戸には助かっています。
井戸に溜る水も元はと言えば雨水。
自然のプレゼントを様々な方法で共有利用すれば気温ももう少し下がるかも・・・否絶対下げなければ!(笑
そういえば昔の我家、玄関入った土間はヒンヤリ涼しかったこと思いだしました。
あの懐かしいちょっと湿った土の香り、鼻をくすぐりました。
FLENDER 様
返信削除おはようございます。
引き続きコメントを頂き有難うございます。
今年の夏は本当に暑いですね!
実は僕も先週末、あまりの暑さに頭をスナイデルにしましたが日差しの強い日中は帽子でも被らないと却って暑いです・・・(^^;
近いうちに坊主ライドでもやりますかね(^^
>奥が深そうな研究なので
仰る通り奥が深い内容ですね。そして僕もよく理解出来ていません(^^;
またエクセルギーという言葉にあまり拘ることはないと僕は考えています。
概念というか、このような考え方を持つことが大切だと思っています。
>僕は下水処理施設がなくても大丈夫なように合成洗剤を使いませんし、塩素系の漂白剤も使いません。油汚れは新聞紙で拭き取ってから洗い物をし、重曹をフル活用しています。
それは徹底されていますね!
FLENDERさん程ではありませんがうちの家内も似たようなことをしているようです(^^
>ヘドロを原料にしたレンガを敷き詰める舗装にすることで雨水は地面に吸われ、下水道への流入を大幅に減らせる
>石畳や吸水性の高いタイプのレンガ舗装のメリットは、雨水を定期的に路面に流すことで気化熱で気温を下げることも出来ます。
どうして国や行政がそういうことをしないんですかねぇ?
なるほど、それはよいアイディアですね!
実は宅地の面積が全体の約7割を占めているので宅地に雨水が滲み込むようにすれば洪水問題の解決にも繋がる、というお話が今回の講義の中でありました。
また雨水が滲み込むように土の面積を増やし、なるべく多く植物を植えて宅地面は道路より少し低くすることがポイントのようです。
日本の行政は自分達の利権を追求することばかり考えるので全く当てになりません!また道路にお金を掛けるよりも(彼らにお金を使わせないように)自分達で出来ることを地道に行うことの方が良い結果に繋がるように思います。
jun.skywalker 様
返信削除おはようございます。
何時もコメントを頂き有難うございます。
井戸がある生活、羨ましいです!
東京でも井戸を沢山見掛けますが実際にどれくらい使われているかは分かりません。
そして土間、良いですね!
涼しいだけでなく私たちの感覚を良い意味で刺激します。
日本に古来からあるものは日本の風土に合ったものなので現代の生活にも上手く取り入れていきたいですね。