Broの肖像 憧憬の風景 1(野山北公園自転車道)


 東京、武蔵村山市から多摩湖まで鉄道の廃線跡を自転車で楽しめる道_「野山北公園自転車道」があることを知って早速ブロンプトンで出掛けてみました。3.7kmと短い距離ながら周辺はおおらかで懐かしい雰囲気に包まれ、終盤に小さな4つのトンネルが続く大変趣のある自転車道でした。


 JR青梅線で昭島駅まで輪行して昭島からブロンプトンで「野山北公園自転車道」まで向かいました。自転車道の入口付近は真新しい似た形をした家が道を挟むように建ち並び、廃線跡というよりも暗渠化された道のように見えます。また周囲に「野山北公園自転車道」の表示がなく地図だけでは自転車道の入口を見つけることは難しいように感じました。
 暫く走ると木漏れ日が降り注ぐ桜並木に入ります。そこは蝉たちの大合唱でした。五月蝿い!というよりも懸命に鳴く蝉たちを愛おしく感じて笑みがこぼれます。


 多摩湖に近づくに連れて自転車道の周辺は時間を遡るようにどこか懐かしい風景に変化していきます。この自転車道は大正10年(1921)に村山貯水池(多摩湖)への導水管の敷設工事のために敷いた軽便鉄道(羽村・山口線)の跡になります。工事が終了した後は暫く使用されていませんでしたが、昭和3~6年(1928~1931)と昭和18~19年(1943~1944)に山口貯水池(狭山湖)の堤防工事の砂利を運ぶために復活した後に廃線になりました。現在は自転車や徒歩で楽しめる「野山北公園自転車道」として利用されています。


 横田、赤堀、御岳、赤坂。自転車道の終盤は狭山丘陵を潜り抜ける小さなトンネルが続きます。これらの4つのトンネルから軽便鉄道(羽村・山口線)の名残を感じます。同時にトンネルは「野山北公園自転車道」の大きな魅力にもなっています。
 トンネルの中は想像以上に心地よくひんやりとした冷気が漂っています。暑さで火照った体は冷やされて汗も引いていくようです。トンネルを一気に自転車で走り抜けてしまうことが勿体なく感じて自転車から降りてゆっくり進みました。途中、犬の散歩をしている地域の方から声を掛けて頂きました。最近、私のようにこのトンネルを自転車で訪れる人が多いようです。

コメント

  1. ヤマちゃん2010年8月12日 22:30

    廃線跡を整備した自転車道、イイですね~^^
    線路は勾配がキツくない場所にひかれてることが多いので、
    自転車道として転用するのは良いアイデアだと思います。
    トンネルの中は冷んやりして気持ち良かったんじゃないでしょうか。
    こちらの廃線跡には鉄道時代の信号機とかまだ残ってるんでしょうか?

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  2. ヤマちゃん

    こんばんは
    何時もコメントを頂き有難うございます。

    トンネルの中は気持ちよかったですよ!(^o^
    残念ながら信号機等はみつからなかったです。
    戦争中だったのでレール等も含めて使えるものは全てそちらにまわされたのだと思います。

    ちなみに羽村・山口軽便鉄道が最後に復活利用されることになったのは米軍の空襲に備えて狭山湖、多摩湖、双方の堤体補強工事行うために多摩川(羽村)から砂利を運搬するためだったようです。何とも複雑な気持ちになりますね。

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