玉川上水 中流域と「石元泰博 多重露光」展


 武蔵野美術大学、美術資料図書館で開催されている 「石元泰博 多重露光」展を見に行きました。そして大学までの道すがら今回も引き続き玉川上水を紹介します。


 ここは西武国分寺線の鷹の台駅から西武拝島線の玉川上水駅方面へ続く上水沿いの道です。先日紹介をした場所から約14キロ程上流の場所です。この辺りは玉川上水の中流域になります。杉並区や三鷹市に比べると木々が鬱蒼と茂り、緑のトンネルの中を歩くようです。同じ玉川上水沿いの道でも下流域とは風景が大分異なります。


 上水沿には桜の木が多く、春には桜の花が楽しめます。また、ここより少し下流、小金井公園近辺は江戸時代に「小金井の桜」と言われ、かつては桜の名所として有名な場所でした。当時の様子を安藤広重も描いています。
 この辺りは上水の北側に並行して新堀用水という用水路が流れています。散策路はこの2つの水路に挟まれるように続いています。玉川上水は江戸へ飲料水を供給すると共に武蔵野の新田開発のために分水されて農地へも水を供給していました。用水路を渡るための小さな橋が所々に架かっています。


 クヌギの並木道と言える程この辺りはクヌギの木が多く茂っています。道沿いには今も古い木造アパートが風景に調和するように残っています。


 玉川上水は1年足らずの短い工期で羽村から四ッ谷大木戸までの43キロを開削したと言われています。また上水道はかなり深く掘られたことが分かります。昼夜を問わず全て人力で行われた開削の作業は我々の想像を遥かに超える重労働であったと思います。


 近辺には学校が多く、朝、夕は特に学生達で小さな道が溢れます。夏は涼しく木漏れ日が綺麗なこの道を学生時代は勿論、今尚時々利用しています。


 石元泰博はモホリ=ナジによって米、シカゴに設立されたバウハウスを継承するインスティテュート オブ デザインで学んだ日本を代表する写真家です。今回の展覧会はカラー多重露光写真のシリーズで従来的な写真とは異なる写真の枠を超えた作品と言えます。
 幾何学的な形をした建物や木々のシルエット等を撮って更に複数回重ねて撮影する多重露光のテクニックを駆使し制作された作品は一見、平面構成的でグラフィカルな作品に見えますが、複数のイメージが偶然重なって出来た画面はとても写真的であり絵画とは異なるイリュージョンを生み出しています。
 この展覧会は今月の14日まで武蔵野美術大学校内の美術資料図書館で行われています。入館料は無料ですのでご興味がある方は是非ご覧頂きたいと思います。勿論、玉川上水沿いの道もお楽しみください。

コメント

  1. いや~ 今回の未舗装の小径も良いですね~
    こんな道は、憧れてしまいます(笑)
    木漏れ日が、なんとも^^

    こんな写真の撮り方もあるんですね。
    私には、ちょっと内容が難しすぎますが^^;

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  2. ゆるポタさん

    何時もコメントを頂き有難うございます。

    >いや~ 今回の未舗装の小径も良いですね~
    こんな道は、憧れてしまいます(笑)
    木漏れ日が、なんとも^^

    雨が降るとドロドロの道なのですが、
    雨の日でも皆この道を歩いています。
    正に生活道路です(笑い)

    また、そのようにゆるポタさんに言って頂けるととても嬉しいです。
    それから昨日はBSで鳥取県特集を見ました。
    また是非、行きたいと家内と話していたところです。

    >こんな写真の撮り方もあるんですね。
    私には、ちょっと内容が難しすぎますが^^;

    すみません。
    僕の説明が難解なだけで決して難しい写真ではありません。
    機会がございましたら是非、ご覧頂きたい写真です。

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