武蔵野を自転車で走ると、坂道が多いことに気がつきます。
小金井市役所前の連雀通りを渡り南に少し行くと南方が開けた坂の上に出てきます。
ここは「ハケ」と呼ばれる国分寺崖線の上端部に当たります。坂の上に暫く立っているとこの急な坂道を引っ切りなしに人が上ってきます。JR武蔵小金井駅や駅前商店街へ向かう人達のようです。どうやらこの坂道は周辺の住民にとっては大事な生活道路のようです。
坂を下ると東西に走っている薬師通りが通っています。通りを越えて更に南下すると野川が西から東へ(写真、右から左)流れています。
「東京サイ苦リング」は昨年度(平成20年)に複数の広告賞を受賞したパナソニックの電動アシスト自転車の広告宣伝コピーです。東京の地形断面図を描いたイラストとユーモラスなキャッチコピーで坂の多い東京を分かり易く見せたアイディアが秀逸な広告でした。
この宣伝のイラスト通り、東京は坂の多い所です。
武蔵野台地の地形は、古多摩川が西の山地から平野に流れ出した所で運んで来た土砂を積もらせて形成した扇状地で、東の東京湾に向かって緩やかに傾斜した地形が形作られました。
扇状地に降った雨水は地下水となって伏流して、扇状地の裾の辺りで湧き水となって吹き出して 野川・神田川・善福寺川・石神井川などとなって西から東に流れています。
その後、富士・箱根火山が爆発・噴火を繰り返し、その噴出物を堆積させてきました。いわゆる関東ローム層の形成です。
噴出物は川のある所は流されて堆積せず、流れの無い所には何重にも積み重なって高くなり、更に川の流れ方が変わると、それは崖線として残って現在の様な高低差の大きな地形が形成され、東京に坂道が多い原因になっています。
上の図は、武蔵野台地を南北方向に切った断面イメージ図です。
序ですが、玉川上水は江戸時代の初めに急増した江戸住民の飲料水を確保する為に、多摩川の水を分水して疎水を掘り、イメージ図では手前の方(西から東)に水を流し、武蔵野台地の一番高い所にを通すことで最終目標地である江戸城までの落差を確保した水道で、当時の土木技術の高さを示しています。
この玉川上水を分水嶺として保っている面を武蔵野面といいます。これを境にして南北に大きく下がった面が各一面あり、南側 国分寺崖線を隔ててある面を立川面と呼び、反対の北側を所沢面と呼んでいます。更に南側には府中崖線を隔てて、もう一段低い所を現在の多摩川は流れています。
以上のような永年の時を経て、武蔵野台地は形成されてきました。武蔵野に坂道が多いのはその名残と言えます。
道はアスファルトで川はコンクリートで固められ、更に土地も建物で覆われた現在の東京で、最終氷期の特殊な自然環境の頃から複雑な経緯を経て形成された武蔵野台地を想像することは困難です。そのように考えると坂道を上り下りすることは日常で私達が武蔵野台地とコンタクトすることが出来る唯一の場所なのかもしれません。また、電動アシスト自転車ではない自転車で「東京サイ苦リング」をすることは発見のあるむしろ楽しいことのようにも思えてきます。小さな車輪のブロンプトンが頼もしいディスカバリー号に見えてきます。
小金井市役所前の連雀通りを渡り南に少し行くと南方が開けた坂の上に出てきます。
ここは「ハケ」と呼ばれる国分寺崖線の上端部に当たります。坂の上に暫く立っているとこの急な坂道を引っ切りなしに人が上ってきます。JR武蔵小金井駅や駅前商店街へ向かう人達のようです。どうやらこの坂道は周辺の住民にとっては大事な生活道路のようです。
坂を下ると東西に走っている薬師通りが通っています。通りを越えて更に南下すると野川が西から東へ(写真、右から左)流れています。
「東京サイ苦リング」は昨年度(平成20年)に複数の広告賞を受賞したパナソニックの電動アシスト自転車の広告宣伝コピーです。東京の地形断面図を描いたイラストとユーモラスなキャッチコピーで坂の多い東京を分かり易く見せたアイディアが秀逸な広告でした。
この宣伝のイラスト通り、東京は坂の多い所です。
武蔵野台地の地形は、古多摩川が西の山地から平野に流れ出した所で運んで来た土砂を積もらせて形成した扇状地で、東の東京湾に向かって緩やかに傾斜した地形が形作られました。
扇状地に降った雨水は地下水となって伏流して、扇状地の裾の辺りで湧き水となって吹き出して 野川・神田川・善福寺川・石神井川などとなって西から東に流れています。
その後、富士・箱根火山が爆発・噴火を繰り返し、その噴出物を堆積させてきました。いわゆる関東ローム層の形成です。
噴出物は川のある所は流されて堆積せず、流れの無い所には何重にも積み重なって高くなり、更に川の流れ方が変わると、それは崖線として残って現在の様な高低差の大きな地形が形成され、東京に坂道が多い原因になっています。
上の図は、武蔵野台地を南北方向に切った断面イメージ図です。
序ですが、玉川上水は江戸時代の初めに急増した江戸住民の飲料水を確保する為に、多摩川の水を分水して疎水を掘り、イメージ図では手前の方(西から東)に水を流し、武蔵野台地の一番高い所にを通すことで最終目標地である江戸城までの落差を確保した水道で、当時の土木技術の高さを示しています。
この玉川上水を分水嶺として保っている面を武蔵野面といいます。これを境にして南北に大きく下がった面が各一面あり、南側 国分寺崖線を隔ててある面を立川面と呼び、反対の北側を所沢面と呼んでいます。更に南側には府中崖線を隔てて、もう一段低い所を現在の多摩川は流れています。
以上のような永年の時を経て、武蔵野台地は形成されてきました。武蔵野に坂道が多いのはその名残と言えます。
道はアスファルトで川はコンクリートで固められ、更に土地も建物で覆われた現在の東京で、最終氷期の特殊な自然環境の頃から複雑な経緯を経て形成された武蔵野台地を想像することは困難です。そのように考えると坂道を上り下りすることは日常で私達が武蔵野台地とコンタクトすることが出来る唯一の場所なのかもしれません。また、電動アシスト自転車ではない自転車で「東京サイ苦リング」をすることは発見のあるむしろ楽しいことのようにも思えてきます。小さな車輪のブロンプトンが頼もしいディスカバリー号に見えてきます。
おはようございます。
返信削除またまた過去の事例で申し訳ないですけど、昭島時代に坂が多いというのは感じました。
多摩川に向かって下ってますのでブラブラしに出て行く時は楽でしたけど、帰りは坂を登らないと駄目だったので、体力を残してないと帰宅出来ないので辛かったです。
(昭島時代の住まいは、宮沢交差点そばの諏訪神社と熊野神社の中間の坂の上という感じです)
カミサンの日常の足用のママチャリは昭島時代は6段変速でした、今は内装3段で充分になりました。
へー、東京は、湿地帯を埋め立てたような所だから、平地だと思ってましたが
返信削除こんなにアップダウンの激しい地形だったんですね。
mincoroさんの記事読んでると、東京のイメージが、どんどん変わってきますよ(笑)
しかし、これだけの坂だと、ブロだと厳しくないですか?
mincoroさんのブロは、何速なんでしょう?
イギリスなら3速で十分だけど、日本では3速では苦しいので多段化するべきだと
聞いた事があります。
でも、6速でも厳しそうですが(^^ゞ
羽ぴょん 様
返信削除こんばんは
何時もコメントを頂き有り難うございます。
毎日蒸し暑いですね!
>多摩川に向かって下ってますのでブラブラしに出て行く時は楽でしたけど、
帰りは坂を登らないと駄目だったので、
体力を残してないと帰宅出来ないので辛かったです。
そうですよね、多摩川が流れている所は一番低い面ですからね。
僕らも野川からの帰り道は上り坂になります。
多摩川まで行くと帰りは2段階上らなければなりません。
「行きはよいよい、帰りは辛い」坂道ですね。
>カミサンの日常の足用のママチャリは昭島時代は6段変速でした、
今は内装3段で充分になりました。
ママチャリで6段変速は凄いですね。
うちのカミサンは内装3段も必要ありません。
ギヤチェンジをしないですから(笑)
一般的な女性は自転車を漕ぐことに精一杯で
面倒なギヤ操作は不必要なようです。
(きつい坂道は自転車を下りて押せば良いのですから)
そう言えば最近、
街でスタイリッシュなシングルスピードに乗る女性達をよく見掛けます。
格好ばかりではなく、面倒な操作もなし、メンテナンスも容易、
理にかなった選択なのかもしれません。
数字や高スペックなものに弱い男性達よりも
そのような女性達の方がスマートに映ります。
最近、僕もシンプルな自転車に惹かれています。
(交通法規、安全上問題のない範囲の)
ゆるポタ 様
返信削除こんばんは
何時もコメントを頂き有り難うございます。
(今、ちょっと真剣に山陰旅行を考えています)
>こんなにアップダウンの激しい地形だったんですね。
関東平野なんて言うと平坦な土地のように思えますが坂の多い所です。
>しかし、これだけの坂だと、ブロだと厳しくないですか?
mincoroさんのブロは、何速なんでしょう?
イギリスなら3速で十分だけど、
日本では3速では苦しいので多段化するべきだと
聞いた事があります。
でも、6速でも厳しそうですが(^^ゞ
真面目に自転車に乗る方には3速は厳しいかもしれません。
(僕のブロンプトンは外装2段×内装3段の6速です)
しかし、
僕は真面目な自転車乗りではないので正直そんなに苦に感じません。
辛い坂は無理しないで自転車から降りて押して上ります(笑)
また、スピードや競争、おまけにメカにも興味がない、
のんびり、感覚派の僕にはブロンプトンの仕様は性に合っています。
普段ブロンプトンに乗って変速機のことに関して感じるのは
坂道だけでなく平坦な道でも
もう少しスムースなギヤチェンジが出来ればと思うことがあります。
そう言う意味での多段化ということには興味があります。
こんばんは。
返信削除私も東京は「平坦」(関東平野=平坦)だと思ってましたのでmincoroさんの記事を読んで意外に感じました。
土砂に川に噴火、、、意外なことが絡んで複雑な地形を作り出してるのですね。
関西でも奈良は盆地で四方を山に囲まれてますが盆地内は概ね坂が無く平坦、大阪や京都も特に気にする坂はありません(神戸は別ですが)。
関東もこんな感じかな?と思ってたのですがビックリしました。
私のブロは3速ですが、1速で登れない坂は私も直ぐに降りて押して歩くことにしてます(^^)
Wembley 様
返信削除こんばんは
何時もコメントを頂き有り難うございます。
>土砂に川に噴火、、、意外なことが絡んで複雑な地形を作り出してるのですね。
おまけに地球の温度変化により東京湾の水位も上昇下降が繰り返されて、
東京の殆どが海に覆われた時もありました。(下末吉海進)
このことも東京に坂が多くなった原因です。
>関西でも奈良は盆地で四方を山に囲まれてますが盆地内は概ね坂が無く平坦、
大阪や京都も特に気にする坂はありません(神戸は別ですが)。
京都、奈良、大阪、詳しくありませんが
神戸は知人を訪ねて震災前、そして後にも行ったことがあります。
南が瀬戸内海、北に六甲山、特殊な地形(断層)ですね。
こちらで言うと横浜に似ていると言う人もいますが、
ちょっと違う感じがします。
個人的に神戸の雰囲気はとても好きです。
>私のブロは3速ですが、
1速で登れない坂は私も直ぐに降りて押して歩くことにしてます(^^)
Wembleyさんでも自転車を降りて上る坂とはかなり急勾配の坂ですね。
サイ苦リング、電動アシスト自転車の広告として"うまい!"と思いますけど、ちょっとやな感じがします(^^;
返信削除こういう土地なんで、ブロンプトンにインター8の改造が多いのかもしれませんね。
otake 様
返信削除こんばんは
コメントを頂き有り難うございます。
>サイ苦リング、電動アシスト自転車の広告として"うまい!"と思いますけど、ちょっとやな感じがします(^^;
仰る通り、ヘッドコピーだけで見ると直接的な感がしますね。
東京の地形断面イラストとのコンビネーションで見せた広告だと思います。
ちなみにボディーコピーには東京の坂について書かれていて
ちょっとした読み物としても面白く出来ていました。
(広告媒体は新聞でした)
>こういう土地なんで、
ブロンプトンにインター8の改造が多いのかもしれませんね。
多分そうだと思います。
しかし、インター8に改造しても上下のギヤ比(僕らしくない表現ですが)は
3速とあまり変わらないと聞きました。
実際には軽いギヤが増える分けではないですし、
車体も重くなり、
エンド幅も無理して広げることになるので
本当は男性に多い、高スペック信仰なのだと思います。
インター8、Wサイクルの店主さんご自身が
リッチーさんに見せたら良い顔をしなかったって仰っていました。
東京サイ苦リングと言うのを見た時に「ださっ」と
返信削除思いましたが、記事を読むと広告のキャッチと解り、
(うう、不勉強)これは「有りやな」と思いました。
これは賞取るのも解ります。
東京に行った時にインター8付きのブロが好評なのは
納得しました。全く、坂が多すぎる。地名も赤坂、道玄坂、
と『坂』が、渋谷、日比谷と『谷』が多い。軍事都市として
江戸、東京を実感しましたね。
実際、東京で実用的に毎日の生活でブロを使用したら
6速でもキツいかもしれませんね。勿論地域によるでしょうが。
たまの「ポタリング」つーんですか?そう言うのには向いてるかも。
Xinyi Folders 様
返信削除こんばんは
何時もコメントを頂き有り難うございます。
「坂が多い」東京に住む僕らは
普段はその存在を意識せずに生活していますが、
自転車に乗ると改めて「坂が多い」ことに気づきます(笑)
仰る通り東京には坂、丘、谷、窪という名のつく地名が多いです。
また、地名から地形や歴史、生活文化を想像することはとても楽しいです。
果たしてインター8が東京仕様のブロンプトンになるのか?
個人的には疑問に思っています。
昔はシングルギヤの実用車で何処へでも出掛けていたことを考えると
3速でもありがたい気がしています。